保険会社の場合、細かく営業区画が分けられています。その区画ごとにエリアマネージャーが配置されて、月間の契約者数や支払った保険金の金額を逐一本部に報告することとなります。
多くの保険会社で2か月に1度のペースでエリアマネージャー研修を実施しており、全国各地のマネージャーが集って本部から指導を受けなくてはいけません。
このエリアマネージャー研修で受ける主な指導は、各エリアの保険未加入世帯の情報・新商品の案内・保険支払い時の対応の3種類です。各エリアの保険未加入世帯の情報とは各保険会社でまだ契約していない世帯のことであり、積極的に営業に出向くようにと指示されます。
保険は常に新しい契約内容を盛り込んだ新商品が提案されますが、研修の席ではその情報も教えられるので、各自エリアに戻ったあとは外交員並びにスタッフに報告するしなくてはいけません。保険支払い時の対応というものは、ある種の接客方法といえます。
被保険者の保険支払い申請に対して調査と確認を関係先におこないますが、その時の対応マナーを学びます。
エリアマネージャーは特定の営業エリアにおける販売・管理責任者として幅広いスキルが求められます。仕入れや在庫調整といった商品管理はもちろん、人事・労務管理や営業目標の管理など、トータルなマネジメント業務を担います。
こうしたことから、エリアマネージャー研修においても、優れた人材を養成するためには多種多様なスキルを身につける機会を設定する必要があります。
エリアマネージャー研修において必須とされるカリキュラムの1つに、コーチングがあります。スポーツにおける「コーチ」という職名でもおなじみのこと言葉は、スタッフに対する指導を意味します。
ただし、似た意味を持つティーチングがどちらかというとあらかじめ決められたマニュアルに沿って定例的な業務をきちんとこなせるよう指導するのに対して、コーチングの方はスタッフが自ら定めた目標を達成するためのサポートを行うという意味合いがあります。つまり、一人一人の問題解決能力を引き出してあげるわけです。
エリアマネージャーはこの両者に関するスキルを有し、必要に応じて使い分けることで、人事管理を適正に行うことができるようになります。